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2020.08
大地脩介

学術部門 - 第48回生
シカゴ大学

直近の活動報告

8月は前半に研究室内でのセミナー発表が3回あり忙しかったですが無事乗り切りました.研究室を含めてオンラインでのプレゼンの機会が何度かあったので,世の中の変化にも少し慣れてきた気がします.
イリノイ州では今でも1日あたり約2000人の新規感染者がおり,大学での研究活動も感染対策を徹底しているか常にsafety officer達に監視されています.とはいえど,ルールを皆が守っているかというと必ずしもそうではないのが現実です.小さなルール違反で研究室閉鎖を余儀なくされた場所もあるようで,些かストレスに感じるところです

研究室の元メンバーから引き継いだ,炭素−炭素結合活性化を経る4員環ketone+エチレンなどの二重結合を持つolefinによる環化反応(6員環合成)については,反応性が低いとされたketoneの最適化を行い,約10%であった収率を40%ほどまでに上昇させることに成功しました,最低でも50〜60%を超えれば,類似のketoneをいくつか合成してこの反応を試すつもりです,またolefinのスコープについてはエチレン以外ではまだ収率や反応選択性が低いため,今後重点的に最適化を行う予定です.この研究テーマにおいて一番の難点は,基質である4員環ketoneの合成は難しく時間のかかる割に多くの副生成物を生んだり,精製が困難であったりするために必要以上に時間がかかっている点です.最初は自分の合成技術の問題なのではと思っていましたが,どうやら元メンバーも同じ問題を抱えていたようだと彼の実験ノートを見て知ったので,別の合成ルートも考えてみるつもりです,

一方で,新しく始めた鉄などの安価な金属を触媒として用いる炭素−炭素結合活性化反応についてはなかなか上手くいきません,ロジウムで知られている反応をターゲットとして,いくつか使えそうな触媒系(金属と配位子の組み合わせを様々な溶媒中で)を試してみたのですが今のところ面白そうな結果は見つかっていません.現在は引き続きこの反応を試しつつ,別の炭素−炭素結合活性化反応のデザインを考案中です.本当はニッケルのように炭素−炭素結合活性化に関する報告例のあるものも試したいのないという難しさがあります.

今後の予定

シカゴ大学は9月も夏学期なので,授業などのない最後の1ヶ月を実験に集中したいと思います,