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奨学生活動レポート

music

2021.10
上野 通明 Michiaki Ueno
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――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?

僕は幼い頃ヨーヨーマの演奏をビデオで見てどうしてもチェロという楽器を弾きたくなり、両親に一年がかりで頼み込んでやっと始めることができました。以来本当に様々な人に助けられ応援していただき今日に至ります。辛い時も嬉しい時もどんな時も向かい合ってきたこの音楽の持つ伝え切れないほどの底知れぬ魅力を一生探求し続け、それを世界中の皆様と分かち合いたいというのが僕の究極の夢です。

その夢を叶えるための第一歩として財団の皆様の温かいサポートのお蔭様でドイツ・デュッセルドルフ音楽大学に念願の留学を果たし、大好きな音楽と向き合う毎日を送ることができている事に、心から深く感謝しております。お声をかけて呼んで下さった素晴らしい師匠からは、側にいるだけで演奏家としてのあり方を学んだり、溢れるほどの刺激と知識を与えていただき、ここで身につけた様々な事が僕の大切な宝物になりました。また、今度はそれを一人でも多くの人に自分を聴いていただき知ってもらいたいため、秋からはヨーロッパでの更なる飛躍と活動の場を求めてベルギーのエリザベート王妃音楽院にも在籍する事となりました。コンサート企画や演奏のチャンスを次々と与えて下さると言うのが特色の学校で、ドイツとベルギーの行き来となる新しい生活に今から期待が膨らみます!

第11回ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロコンクール (Filharmonia Narodowa w Warszawie)

――日常生活、生活環境について

昨年より突然世界が恐ろしいコロナウィルスに翻弄され始め、経験したことのない毎日を過ごす事になりました。コンサートもコンクールも何もかもが中止や延期になり、長い自粛生活が始まりましたが、忙しかった毎日に突然時間ができた事で、この貴重で膨大な時間を今までずっとやりたかったのにできなかった事に当てようと、技術的な事から音楽的な様々な勉強も含め、じっくり向き合えた事が物凄く有益な物をたくさんもたらしてくれた気がします。やっと活動が再開され始め久しぶりに大きなステージで演奏できた時の新鮮な喜びは忘れられません。改めてステージで演奏できる喜び、皆様に生で音を聴いて頂ける幸せを強く実感している今日この頃です。

イッサーリスのマスタークラス (Prussia Cove)

――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること

より良い音楽を探求し、多くの方々と分かち合いたいと言う夢を達成するためには、自分自身を常に磨き続ける事が一番大事な事だと思っています。それは演奏そのものの事はもちろん、自分なりに興味が湧いた事はどんな分野でも調べてみたり、行動してみたり、おおよそ無関係と思われるような事でも意外に演奏のヒントになったりする場合もあるので、好奇心の扉はなるべく大きく開けておくようにしています。

スロヴァキアでのハイドンチェロコンチェルト演奏会ポスター

――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負

日々の精進の成果を披露し、人々に今の自分のベストを知って頂くとても良い一つの手段としてコンクール等新たなチャレンジも続け、一歩ずつ夢に向かって進んでゆきたいと思います。先日受けたドイツのオーディションでも最優秀賞を頂き、来年と再来年にかけてたくさんのコンサートを約束して頂ける事になったので、新しい学校の演奏活動も含め一気に楽しみになって参りました! バッハ連続演奏会やその録音など、2年越しにやっと実現する事ができそうな有難いチャンスに心から感謝し、改めて感じた音楽の素晴らしさとその力を一人でも多くの皆様にお伝え出来る様、益々気を引き締めて精進してゆきたいと思います!

上野 通明 Michiaki Ueno
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