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奨学生活動レポート

music

2019.12
戸澤 采紀 Saki Tozawa

気付けば、大学生になりあっという間に半年が以上が経ちました。高校生の時から、都会の中心にある緑豊かな上野公園を通学路とし、芸術文化盛んなこの街で勉強を続けられていることが、とても幸せなことだと改めて強く感じています。

大学に入って、これまで以上に毎日音楽に溢れた環境に身を置いているわけですが、「音楽家になりたい」という共通の目標を持った友人達との出会いは、私にとって本当に有意義だと感じます。特に、管楽器やピアノの友人と音楽の話をすると、色んな気付きがあるように思います。構造も奏法も全く違う楽器を勉強する彼らの考えを聞くと、普段、音楽を表現するための手段である「ヴァイオリンを弾く」という行為に惑わされ見落としがちな本質的な部分に、割とあっさりと辿り着くことが時々あるのです。移弦やシフト、弓の返しといった弦楽器を弾く上で当たり前になってしまったハンデを、音楽をする上では当たり前にしてはいけないと思っています。そういった意味で、これからも色んな方向にアンテナを張って、様々なことを吸収したいです。 今年度は、弦楽四重奏を中心に室内楽の演奏機会が沢山ありました。

昨年からサントリーホール室内楽アカデミーに参加している、チェルカトーレ弦楽四重奏団では、リサイタルを二度、素晴らしいブルーローズでの演奏機会、秋吉台音楽コンクールでの第三位受賞、そしてフィンランド・クフモ室内音楽祭でのスカラシップ受賞、と様々なチャンスを頂き、少しずつそれを掴み取ることが出来ている実感があります。弦楽四重奏というのは本当に奥が深すぎる分野だと思います。どんなに長時間楽譜とにらめっこして合わせを重ねても、その音楽に無限大の可能性がある故、完成されることはまずありません。それでも、自分がこんな風にこのフレーズを弾いたら、他メンバーはどう反応してくれるだろう、と実験的に試していくのは、本当に楽しく、幸せな時間です。 光栄なことに、ソロリサイタルの機会も4回頂くことが出来ました。2時間のステージを任される責任はとても重く、それに値する演奏を、とプレッシャーを感じることもありましたが、やはり音楽に対し、そしてお客様に対し、どこまでも真摯に努力していくことこそが、成長への一歩となるのだと思いました。

これからも周りへの感謝を胸に、沢山の事を吸収し、還元できる人間になるべく精進していきます。