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周防亮介さん
(ヴァイオリン)

シャネル・ピグマリオン・デイズ

2019.11.30(土) 17:00
シャネルネクサスホール

周防亮介:ヴァイオリン
三又瑛子:ピアノ

◆プログラム
サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ短調 作品75
 <休憩>
シューベルト:ヴァイオリンとピアノの為の幻想曲 ハ長調 D934

2019年のシャネル・ピグマリオン・デイズのアーティストに選出された周防さん。年6回のリサイタルそして室内楽とグランドフィナーレで素晴らしい演奏を披露されました。そして2019年もスイスと日本の往復だけではなく、ヨーロッパやアメリカを行き来する多忙な一年だったようです。2019年が周防さんにとってどんな年で、2020年はどんな年にしたいか伺いました。

また、気分転換のためにすることがこちらもプロかと思うようなレベル!写真を見て驚きました。最後の写真をお楽しみに🎻

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Q1.  2019年のシャネル・ピグマリオン・デイズのアーティストに選ばれた周防さん。11月30日の6回目のリサイタルでは、前半は最後を飾るにふさわしい力強い曲で始まり、後半は最後を惜しむかのような美しい旋律の曲でしたね。そしてアンコールはショパンの「別れの曲」。素晴らしいプログラミングだと思いましたが、今回はどんな思いでプログラミングされましたか。

A1.  今回演奏しました、サン=サーンスのソナタ1番とシューベルトのファンタジーはこれまで一度も弾いたことがなく、またどちらも大曲かつ難曲でしたのでとても挑戦的なプログラムでしたが、シャネルでの最後のリサイタルということで意気込んでこのプログラムを考えました。

また、アンコールでショパンの別れの曲を演奏すると決めたのは本番の1週間ほど前でした。それまでは違う曲をアンコールに考えていましたが、たまたまYouTubeで素敵なアレンジの別れの曲を弾いておられる方の映像を観て、これを弾きたい!と思いすぐにその方に連絡を取って楽譜を海外から送っていただきました。

これまでヴァイオリン用に編曲されたショパンの作品は弾く機会がなかったですが、もともとショパンの美しい作品が大好きだったので今回演奏できたことは私自身も嬉しかったです。

©CHANEL NEXUS HALL

Q2.  2月から11月までに6回のリサイタル。そして11月の室内楽や12月のグランドフィナーレも。一年を通してこれだけ演奏するのはなかなか大変だったのではないでしょうか。それでも「たくさんのことを勉強させていただき、貴重な経験になった」と仰っていましたね。シャネル・ピグマリオン・デイズでの1年を振り返り、今何を感じていますか。

A2.  もちろん全てのプログラムをしっかりと準備することをは大変な時もありましたが、このような貴重な経験を若い時にさせていただいたことで、演奏会に向けての準備の仕方、舞台マナー、また自分の見せ方などたくさんのことを学ぶことができて感謝の気持ちでいっぱいです。

やはり本番で得ることはたくさんあるので、毎回自分の課題を見つけ、それを克服していくということを体験できたおかげでこの1年を通して成長できたように思います。

©︎CHANEL NEXUS HALL

Q3.  メニューイン国際音楽アカデミーでの2年目も、アカデミーのメンバーとして参加するヨーロッパでの演奏会、マスタークラスや音楽祭への参加、日本でのコンサート等々、本当に盛りだくさんで充実した1年だったようですね。この1年は周防さんにとってどんな1年だったでしょうか。どんな収穫がありましたでしょうか。

A3.  2019年は日本はもちろんアメリカ、ドイツ、オーストリアなどたくさんの国で演奏させていただきました。

シャネルでの演奏会が年に6回もあったのでそれが軸になっていたように思いますが、普段ヨーロッパで生活し、日本以外ではヨーロッパで演奏することが多かったので、久しぶりに行ったアメリカ(ニューヨーク)はとても刺激的で本当に楽しかったです。どこを撮ってもインスタ映えのアメリカに興奮したのを覚えています(笑)

こういった色々な国で演奏や勉強をさせていただくおかげで、多くの方々との新しい出会いにも恵まれたとこはすごく貴重なものだなと有り難く感じています。これらのご縁はずっと大切にしていきたいです。

周防さんご提供

Q4.  文化、歴史、風土、国民性の違ういろいろな国に行かれてヴァイオリンを弾いていらっしゃいますが、クラシック音楽に対する聴衆の方々の受け止め方も違うのでしょうか。ヨーロッパ、アメリカ、日本で演奏された時の印象はいかがですか。

A4.  それぞれ現地のお客様の反応はとても面白いもので、いつも楽しみにしていることのひとつです。ヨーロッパやアメリカの方々はとてもオープンな雰囲気があるように思いますし、日本のお客様はいつも温かく集中して聴いてくださるので、弾いている自分も集中し音楽に没頭することができるように感じています。

メニューイン国際音楽アカデミーのメンバーと

Q5.  2020年はどんな年にしたいとお考えですか。具体的に何を学び、どんな方向を目指していきたいとお考えですか。

A5.  2020年も自分の音楽や課題としっかり向き合い、充実した年にしていきたいと思っています。コンクールにも参加して、積極的にいろいろなことにチャレンジしていきたいです。そしていつも心がけていることですが、毎回の演奏会を大切に取り組んでいけたらと思います。

Q6.  ヴァイオリンを弾いていて壁にぶつかることはありますか。そんな時はどうやって壁を乗り越えていますか。気分転換が必要な時は何をされていますか。

A6.  もちろん悩むことや煮詰まってしまうことはありますが、そんな時は友達とカフェをしたり、海外では歩くことが好きなので家の近くを散歩したり少しヴァイオリンから離れて頭をリフレッシュさせています。

また料理することが好きで、何かを作っているときはそれに集中できるので良い気分転換になっていると思います。

周防さんご提供

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2019年も本当に多忙な一年だったようですが、毎回毎回の演奏会を大事にすることによって多くのことを吸収し、成長の糧とされているのですね。ニューヨークを楽しむ様子やプロ顔負けのお料理。また少し違った周防さんの一面を見ることができました。それもまた周防さんの演奏の幅を広げているのでしょう。2020年もどんな顔を見せて下さるか楽しみです🎻