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鈴木義弘さん
(セーリング/レーザー)

2019レーザー級世界選手権

2019.7.4(木)〜 2019.7.9(火) 
鳥取県境港公共マリーナ

セーリングの男子レーザー級世界選手権が7月4日~9日、日本で開催された。この大会は2020年東京オリンピック日本代表選考レース2つのうちの1つ。たった一人の日本代表枠(セーリング競技は全種目男女別に出場枠が1枠)を獲得するためには、この大会で3位以内に入れば即決。でなければこの大会と来年2月のメルボルン大会との合計ポイントで競うか。いずれにしろ、今回の世界選手権では上位の成績を取ることがオリンピックにつながる道だ。

2019世界選手権では悔しい105位、日本人3位。
経験を積み重ねて世界への挑戦は続く

鈴木さんは初日から3日間の予選6レースで106位/156艇。優勝決定戦となるゴールドフリートとその下位のシルバーフリートを逃して、ブロンズフリートのグループで順位決定戦を行うことになった。日本人選手は2人がシルバーフリートグループに入っていて、鈴木さんは日本人3位だ。
そして続いての大会4日目、ブロンズフリート戦での初日の2レースの成績は9位と21位となっていた。

その翌日に応援に行ってみると、弱風のため開始が遅れたレースを待つ鈴木さんに会うことができた。「とにかく世界の壁が厚かった」と前日までのレースを振り返る鈴木さん。5月のヨーロッパ選手権では10位以内でゴールしたレースもあり自信もついたところだったが、今回はオリンピック前年の世界選手権。メダリストが勢ぞろいの超ハイレベルな大会となって、いまひとつ調子が掴めないままの様子だ。

鈴木さんは早稲田大学1年生。前年の秋にセールがひと回り小さいラジアルからスタンダードに乗り換えたばかり。世界トップと競うために体重増量を計画中

でも、この機会にひとつひとつ経験を積んでいくことで強くなれる。この日はブロンズフリート戦で3位と9位のゴールができた。終わってから「やっとこの大会でレースらしいレースができたかも」と鈴木さんは少しホッとした表情を見せてくれた。

翌日の大会最終日では鈴木さんがレースをリードしてブロンズフリート戦1位と2位を獲得、最終105位(ブロンズフリート最高位)となった。
「1位と言ってもブロンズフリートですからね」と厳しいコーチ。本来ならシルバーフリートでも戦える実力があるのだから、と。ただ、まだ世界のトップと競うだけの経験が圧倒的に足りず、まさに日々進化中の鈴木さんには期待値が高いのだ。
今大会では、日本人トップ57位だった南里選手が東京オリンピック選考の3ポイントを獲得したのみ。次の選考対象大会で日本人トップに立てば、鈴木さんにも十分可能性があるのだそう。
鈴木さん、応援しています!

会場では無料の観覧艇が用意されていた。レースコースの近くに寄ると順位を争うスピードの速さに圧倒される。フレッシュな風を奪いターンで相手に差をつけるには、レースで多くの経験が必要なのだそう(写真はゴールドフリートのレース)

<結果>

2019 レーザー級世界選手権結果

レースを終えてハーバーに戻ってきたところ。鈴木さんは大学生になってから江ノ島を拠点に練習している。「地元の山口と違って風があり、練習しやすいです」