2026/10/26

重森 光太郎 活動レポート

2026/10/26

重森光太郎

重森 光太郎 Kotaro Shigemori

この度、リクルートスカラシップ生に選出して頂きとても光栄な気持ちで一杯です。世界中には、素晴らしい音楽家がたくさん溢れていますが、これからの人生において自分は”今何をすべきか”常に明確な目標に向かって歩んでいくこと。また…

――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?

私がまずパリに留学したきっかけはやはり、現在の恩師レナシェレシェフスカヤ先生に出会ったことでした。初めて出会ったのが今から5年前、ある知り合いのピアニストの先生にご相談し、レナ先生の元に繋いでいただきました。この頃の私は、音楽に対してどう向き合えば良いかわからなくなっていた頃でした。いくら努力しても自分の演奏がどう変化したかわからなく、また音楽に対する姿勢というのが日々混乱している状況の中 初めて先生のレッスンを受けるチャンスを頂きました。私の演奏を聴いて頂き、自分の悩みを殆ど当てはまる事をお伝えしてくださいました。やはり基礎的なことからやり直す必要があり、この時は1回のレッスンでしたが、初めて熱血の指導で圧倒されました。1ページ進むのにどれだけ時間を費やされたか、作曲家の真髄を深く読み取る作業、そして一音一音の響きとバランスを厳格に師事して頂き、とにかく必死に向き合いました。しかし、このレッスンが私の今後に大きく変わる瞬間でもありました。

2022年のロンティボー国際コンクールに参加し、大きく人生が変化した瞬間でした。私はこれまで大きなコンクールに挑戦してきませんでした。しかし、このコンクールは私にとっても大好きな課題曲に恵まれ、また大切なレパートリーを思う存分発揮できるチャンスでした。今でもこのコンクールの思い出が蘇ってきます。初めて自分の最大限を発揮するきっかけとなり、同時にフランスの街並みと芸術のレベルに圧倒され翌年パリに留学しました。やはり毎回のレッスンでは常に大きな変化を感じます。先生の音楽に対する知識量と作品の捉え方、そして知性と教養性を結びつけることは、私の芸術性を高めることだけではなく日常生活のあり方にも大きな変化が生まれ、本当に魔法の瞬間がたくさんありました。

話は遡りますが、私は6歳の頃母の手ほどきでピアノを始めました。子供の頃はよく、ショパンといえばアシュケナージ、バッハといえばシフ、そしてドイツもの(シューベルト)と言えばマレイペライアと知って、CDをよく聴いていました。この素晴らしい演奏をよく聴き、感性と表現力に圧倒され、聴いた後よく真似したりしながら弾いたりして遊んでました…(笑)
しかし、練習は本当に嫌いでしたが、将来音楽で人の心を癒し、大きな感動を与えることは”どれだけ幸せなんだろう”と感じ、素晴らしい演奏家になりたいと強く思い、本格的にピアノを勉強しました。
また、小学生の頃は毎週のだめカンタービレが放映してよく見ていて、もちろんヨーロッパ編の映画やドラマを見たり音楽って本当に面白いなと、、、
その頃からパリに憧れを持っていました(笑)

そのような全てが”現在の自分”につながっていると思います。今年5月エコールノルマル音楽院において、創設者の一人、Alred Cortotの名誉な賞も頂きました。より世界に目を向け、今後も失敗を恐れず何事にもチャレンジし、人の心に揺さぶる感動できるピアニストとして成長できるよう精進してまいります。

Nohant Chopin Festival

――日常生活、生活環境について

留学生活は4年目を迎えました。現在もレナシェレシェフスカヤ先生の元、エコールノルマル音楽院ソリスト完成過程で勉強を続けております。
しかし初めて留学した頃に比べると治安が非常に悪化していると感じます。10月にはフランス各地で抗議デモや暴動が発生しているなど、市民にとってとても悲劇が起きています。このような状況の中でも、こうして音楽と進撃に向き合えることは本当に幸せなんだなと思います。

パリでの生活では、数少ない楽器可能物件に住み、家にピアノを置き、朝9時から夜8時まで安心して練習ができています。周辺はやはり静かな環境で、とても集中できます。練習はもちろん大切ですが、気分転換も大切しています。留学するといつも以上に時間に余裕があり、散歩や料理、美術館巡り、そしていろんな演奏会に足を運ぶこと、、中でも散歩はとても大事にしています。

例えば、パリのセーヌ川の景色は本当に素晴らしいです。セーヌ川から見るエッフェル塔が本当に格別に美しく、特に秋頃の夕焼けが沈む瞬間は本当に感動します。景色の背景からもフランスの多くの素晴らしい芸術家が産み出た国なんだなと感じます。

また美術館で絵画を見ることも好きで、パリにはいくつもの美術館があります、中でも私のお気に入りの美術館は、オランジュリー美術館です。印象画家の作品が多く展示しており、私の大好きなラヴェルやフォーレに纏わる作品が沢山あって心が癒されます。その他にも、あまり日本では有名ではないかと思うのですが、ルイヴィトン美術館もおすすめです。パリから少し離れたブローニュビヤンクールにあります。

ピアノ以外のことに目を向けることで、新たな気づきを多くあり、日々充実した生活を送っております。

――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること

作曲された時代背景はもちろん、その作曲家の作品の意図や経緯を感じ取り、そして自分の表現力に繋げています。また基礎練習を大切にしながら、日々励んでおります。特にバッハ平均律とショパンエチュードは表現力と技術、テンポ、そしてポリフォニー感を養うことが常に大切です。
今までは、スケールや音階を中心にやってきましたが、バッハとショパンはより演奏効果を高める技術があり、今後とも大切にしていきます。

そして健康第一に!演奏する上では心身ともに健全でいなければなりません。

――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負

今後フランス各地でコンサートやまた自身によるマスタークラスも予定されております。また今年度からフランス人ピアニストが創設したAlexandre Tharaud Foundationの奨学生にも選んで頂きました。ソロはもちろん、色んな楽器とのアンサンブルの機会も沢山あります。
特に室内楽ではお互いに音楽を作り上げるのは本当に格別で、様々な楽器との交流を通じて、私の音楽性はもちろん、心身ともに更に成長できるよう精進して参ります。

成績優秀者によるコンサート(大トリを務めました)