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奨学生活動レポート

music

2023.11
外村 理紗 Risa Hokamura
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――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?

私がヴァイオリンを始めたのは3歳の頃でした。箱と鉛筆を持って、毎日母の自宅レッスンの音に合わせてヴァイオリンの弾き真似をしていたことがきっかけだったそうで、見兼ねた祖母が母にヴァイオリンを買うことを提案し、そこから20年もたったなんて時が経つのは早いものだなと感じます。

現在は貴財団にご支援頂き、アメリカ・ニューヨークにあるマンハッタン音楽学校でBachelor of Music(学士)に在籍中です。尊敬する先生方が皆アメリカに留学されたことがあったり、アメリカを拠点に活動されていたりしたので、漠然と米国に留学することに憧れがあったのですが、Young Concert Artistsというマネージメントに入ったことをきっかけに留学を決意しました。

やはりステージに立って演奏するのが好きなので、世界中で演奏してより多くの人に自分の演奏を聴いてもらいたいという昔からの夢は今も変わりないのですが、もう一つの夢は、ステージで特別な瞬間を作り上げられる音楽家になることです。誰にでも音楽を聴いている時、映画を観ている時、本を読んでいる時に、息を呑んで見入ったり聴き入ったりしてしまう、時間が経つのを忘れてしまう、感情が揺さぶられる瞬間があると思うのですが、私はそういう時間に救われてきたので、今度は私が感情が揺さぶられるような特別な瞬間をステージで作りたいと思うようになりました。

 

ニューヨーク(マーキンコンサートホール)デビューの写真

 

――日常生活、生活環境について

大学の授業は音楽理論や音楽史、ヒューマニティーズ、指揮法などがあるのですが、特に興味深かった授業は指揮法です。指揮法を取ってからはテンポ感、構成、楽譜の読み込み、強弱のニュアンスなどをより深く学ぶことができたので、ぐっと視野が広がり、コンチェルトはもちろんのことソナタなどの室内楽でも一気に弾きやすくなった感じがします。指揮をする事自体にも非常に興味があるので、引き続き次の学期も指揮法2を取る予定です。

一年ほど前からYoung Concert Artistsのコンサート活動が始まり、コンサートは飛行機で移動しなければならない事が多く、常に学校と空港を行き来しているような感じです。コンサート活動と学校の授業を両立しなければいけない事が想像以上に大変ですが、体調やメンタルを崩さないようになるべく睡眠と食事だけは取るように気を付けています。

 

ワシントンD.C.(ケネディーセンター)デビューの写真

 

――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること

表現の幅を広げるため、アンテナを貼り続けることでしょうか。たくさん演奏会を聴きに行ったり、本を読んだり、映画を見たり、美術館に行ったり、他分野の勉強をしてみたり、ダンスを見に行ったり、ジャズの演奏会に足を運んだりしています。特にジャズは、奏者の皆さんが体全体で音を楽しんでいて、音楽でコミュニケーションを取りながら皆で自由に即興していく姿は凄く格好良いですし、インスピレーションを受けます。

音楽家は家と練習室と会場の行き来ばかりになりがちですが、普段の生活も大切に、自分のことをよく知って適度に息抜きをすることも心掛けています。

――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負

とにかくこうして大好きな音楽をお仕事にさせて貰えていることに対して感謝の気持ちを忘れず、頂いた一つ一つの舞台を全力で心から楽しむこと、そしてコンクールや音楽祭など成長できる機会を見つけて貪欲に挑戦していきたいです。

来年の2月には、イザイ全曲演奏会を紀尾井ホールで行ないます。イザイの無伴奏ソナタを6曲全て、紀尾井ホールという大舞台に1人で立って演奏することは、とても大きな挑戦になりますが本当に楽しみです。気を引き締めて頑張っていきますので、引き続き応援どうぞよろしくお願い致します!

 

師匠のルーシー・ロバート先生と写真を撮っている様子

 

外村 理紗 Risa Hokamura
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