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卒業レポート

academic

2023.01
渡邊千晴
第47回生 - マサチューセッツ工科大学

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1.専攻分野について…当初の目標とその進捗・成果、財団の支援があったからできたこと、今後の進路と目標

大学入学当初から私は、持続可能な都市インフラの構築により、より良い、より強い、より環境にやさしい未来都市の開発に強い興味を持っていました。それが理由で、MITの学部課程では土木環境工学を専攻しました。江副記念リクルート財団の支援のおかげで、MITに在学して、世界中から集まったクラスメート達と共に勉強に励み、Concrete Sustainability Hub (CSH コンクリート持続可能ハブ)とReal Estate Innovation Lab (REIL リアルエステイト・イノベーション研究所)にて、業界でリードする専門家達と一緒に研究を行う事ができました。具体的にCSH での私のプロジェクトは、持続可能で導電性のあるセメント のナノ材料を設計することでした。私はこのプロジェクトの成果で、 2019 年の最優秀学部研究員を受賞しました。 授業以外では、MIT Civil and Environmental Engineering Student Association (CEESA) の会長も務め、学部生達のために社交イベントやキャリア ワークショップを企画、実行しました。2020 年 5 月に、MIT 教員の指名で「Chi Epsilon」という全米土木工学名誉協会にも入会する事が出来ました。

その後、私は大学院に進む事を考えるようになり、建設に関する技術的知識とインフラストラクチャ プロジェクトの財務計画の両方を理解出来るエンジニアを目指す様になりました。そして、新型コロナウイルスが到来し、世界は「ニューノーマル」の時代になりました。人々の生活習慣、働き方、日常生活全てが劇的に変わりました。都市と交通インフラは再設計を余儀なくされ、新しいテクノロジー、経済データ分析、コンピューター サイエンスの必要性がさらに高まりました。江副記念リクルート財団の支援のおかげで、私はマサチューセッツ工科大学ファイナンス学修士 (Master of Finance) に入学し、夢を達成することができました。このプログラムはデータ分析に焦点を当てたSTEMプログラムで、学生に分析ツールの使用方法、コンピューター モデリング、数学でファイナンスの基礎理論を教えてくれます。在学中、MIT サステナビリティ イニシアチブの他の大学院生達と協力して、インペリアル カレッジ ビジネス スクールが主催する「気候インベストメントチャレンジ」コンテストに研究プロジェクトを提出しました。私達はそこで、「インパクトリンクボンド」と呼ばれる優れた資金調達構造を使い、地方自治体が、再生可能太陽光エネルギーのインフラストラクチャなどの大規模なプロジェクトに必要な資金の調達方法を提案しました。卒業後は、イリノイ州シカゴ市のインベストメント会社で就職が決まっており、引き続き持続可能な都市づくりに情熱を注いでいきます。江副記念リクルート財団の支援のおかげで、MIT で貴重な教育経験を得ることができました。テクノロジーと人のコラボレーション力で世界に変化をもたらすという個人的な使命を、江副記念リクルート財団は育まさせてくれました。情熱的で個性的な財団の他の学生達と、この素晴らしいコミュニティで夢や希望を共有出来た事に感謝します。

1997 年ノーベル経済学賞受賞者のロバート マートン教授と。彼は MIT のマスター オブ ファイナンス プログラムのクラスを教えています。

2.専攻分野以外について…人として成長できたと思うこと

学業以外では、ボストンにある素晴らしい美術館の展示を見に行ったり、ボストン交響楽団の演奏を聴きに良く出かけました。中でも特に記憶に残ったのが、歴史的にも有名なバイオリニストの 1 人、ジョシュア ベルをフィーチャーしたドビュッシーとベートーベンの演奏でした。イベントのテーマや背景を知る事で、過去の豊かな歴史に感銘できる機会が生まれとても充実した時間を過ごす事ができました。作曲家や芸術家の多くは、彼らの人生で起こった苦難を通じて歴史に残る名作を生み出しており、それらを知る事はとても刺激的でした。また毎週、大学院生のクリスチャン フェローシップ (GCF) で友人達と会い、歌ったり音楽の練習をしたりしました。一緒にさまざまな楽器で音合わせをしたりする事で、 自己認識 、他人に耳を傾ける事、 自分がしていることに集中する事を再認識し、人としての成長を助けてくれたと思います。一緒に音楽を演奏することで、自分の気持ちをメロディーに込め、他人とつながれる事を学びました。ボストンには素晴らしいアートや音楽のイベントがたくさんあり、それらを鑑賞する機会が沢山あった事はとても恵まれていた事と思います。それら芸術に触れた経験は、自分自身とも調和し、様々な事に辛抱強く立ち向かう心構えの重要性を気づかせてくれました。

友人と、世界的に有名なバイオリニスト、ジョシュア・ベルとボストン交響楽団の演奏を鑑賞した時の写真

3.後輩たちへのメッセージ

後輩には、仲間と協力したり一緒に仕事をしたりする機会を積極的に探すように伝えたいと思います。私はチームワークとコミュニティが、研究、学業、また人として成功する鍵であると信じています。在学中、出会う様々な人達と良い関係を築くことに集中してください。そして全てについて楽観的な視点でまずは接してみてください。江副記念リクルート財団からの支援を受けられる学生は、教育という恩恵を得ることができる非常に恵まれた学生だと思います。後輩たちには、常に感謝の気持ちを忘れず、前向きな姿勢で臨んでほしいと思います。

私の卒業写真の一枚。MIT「グレートドーム」の下の石柱の隣で。

 

渡邊千晴
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