トップページ > 卒業レポート > 小林愛実

卒業レポート

music

2023.04
小林愛実
第49回生 - エコールノルマル音楽院

>プロフィールはこちら

リクルートスカラシップを申し込んだ時の当初の目標は、音楽を心から楽しむこと、ソロだけでなく室内楽など色々な形の音楽を深めること、そしてショパンコンクールにもう一度挑戦し、日本、世界中でコンサートの機会が持てるようになることでした。

結果として、全てにおいて私ができる限りのことは達成できたかと思います。

江副記念リクルート財団の奨学生としての3年、色々なことがありました。主にアメリカで学びましたが、途中コロナ禍のため日本でのオンライン受講にもなりました。

ですがこの3年間、自信を持って言えることは今までで1番音楽と真摯に向き合った時間だったということです。まず私の中で1番大事だった”音楽を心から楽しむこと”。このことを常に心に置いて、様々な壁にぶつかった時も乗り越えることができました。また、私が理想とする音楽も見つけることができたかと思います。

 

そしてショパンコンクール。

もちろん私にとって一大イベントでした。2度目の挑戦は自分が想像していたよりも遥かに大変なものでしたが、結果として挑戦したことは間違っていなかったと思います。私の目標であった、日本だけでなく世界中で演奏会の機会を持つこと、この目標に近づくことができたのはショパンコンクールのお陰です。まだまだですが、いただいたチャンスをこれから更に繋げていきたいと思っています。

Chopin and his Europe festival でのコンサート後のサイン会
ラロックダンテロン音楽祭にて。ディレクターのルネマルタンと。

そして室内楽について。最近はソロのコンサートだけではなく、室内楽の演奏会も増えてきており、積極的に行っています。その中でも毎年あるスカラシップコンサートは特別なものでした。計3回出演させていただきましたが、どれにもたくさんの思い出があります。シューマンの作品を2つ(参考:2020年2021年)、そして最後はドヴォルザークを演奏しましたが、リハーサルから本番までいつも和気藹々と、とても有意義で楽しい時間を過ごせました。

素晴らしい音楽家の方々と一緒に音楽を創り上げる、それはソロでは得ることができないものです。これからも出来る限り取り組んでいきたいと思います。

 

そして、ここまで書いてきた全てのこと、”音楽の事だけに集中し向き合い続ける”、そんな生活を送ることができたのは江副記念リクルート財団の支援があったからできたことばかりです。正直なところ、もしこの支援がなかったら、留学生活やコロナ禍で演奏活動が出来なかったときなど、不安なことばかりだったと思います。

これまで支えていただき本当にありがとうございました。感謝の気持ちで一杯です。

専門分野を極めること、それは人として成長できることが沢山あると思います。1つのことを突き詰め、目標を持ち続けることで、培われる行動力、忍耐力、そして知識や責任感など、人として大事なものを沢山身につけることができました。

そして私事となりますが、今年は出産を迎え、1人の子の母になります。楽しみな半面、まだまだ未熟な私が母になれるのか、とても不安でもありますが、この経験が1人の人間として、そして音楽家としても、また大きく成長できるのではないかと思います。

 

後輩たちへのメッセージ

勉学や研究、そして芸術に没頭して専念できる有難い環境を提供して下さっている機関は、皆さんも承知の様に中々ありません。

音楽家として最も育められる貴重な時期を大事にして、自分が思い描く音楽家へ研鑽を積んでいってください。

Curtis音楽院の卒業演奏会にて。Liu先生と門下生の皆んなと。

小林愛実
>プロフィールはこちら