2024/01/15

システムで人々の暮らしを豊かに。1週間の米国研修が拓いたMITへの道。│近藤耕太

2024/01/15

近藤 耕太

近藤 耕太 Kota Kondo

複数機ドローンの自動制御の研究を通して世界の物流を変えたいと考えています。ドローンは全ての物と人の移動を3次元化し、2次元の世界から私たちを根本的に解放する画期的なテクノロジーだと確信しています。

――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?


小さい頃から飛行機には大変興味がありました。僕は小さい頃からサッカークラブに入っていたのですが、小学生の頃サッカーの試合中にとても綺麗な飛行機がサッカー場の上を飛ぶのに見惚れて、空をぼーっと眺めているのをコーチに怒られていたくらいです。

小学校、中学校とサッカー漬けの日々を送り、高校も僕が中学校3年時にインターハイで全国準優勝を果たした私立武南高校に進学しました。転機が訪れたのは高校2年の秋、いつものようにグラウンドで練習をしていたところ、頭から地面に落ちてしまい、短期的に記憶を失くしてしまいました。翌日、安静のため学校を休み、家で(頭が空っぽの状態で)テレビをみていたところ、宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」が流れていたので見始めました。

本当に美しい。飛行機はなんて美しいのだろう。あんな飛行機を作ってみたい。そう思い立ち、大学で航空宇宙工学を学ぶために必死で勉強を始めました。サッカー部は高校3年の10月、全国高校サッカー選手権の埼玉県予選で敗退するまで続け、部活を引退後、本格的に受験勉強を開始しました。大学は同じ埼玉県出身の若田光一宇宙飛行士が卒業した九州大学に進学することを決め、幸運なことに合格することができました。

大学2年次には念願だった航空宇宙工学科に配属が決まり、ウキウキしていたところ、慶応SFCとアメリカ大使館が共同で開催するアントレプレナーシップセミナーがあることを知り、友人と何気なく応募したところ、書類審査を通過することが出来ました。本選では全国から集まった他のグループとビジネスコンテストを行い、なんと上位3チームに選ばれ、アメリカ、シリコンバレーへの1週間の研修に招待をしていただきました。初めてのアメリカ。研修旅行ではシリコンバレーの起業家や投資家から沢山の刺激を受けました。その中でも一人の弁護士の方との出会いが本当に大きく人生を変えることになりました。その頃はふわふわとアメリカの大学院に行きたいと考えていましたが、彼と話をしていく中で、アメリカの大学院進学が具体的な目標となりました。1週間の研修旅行はあっという間に終わってしまいましたが、まだまだアメリカを見足りないと思い、テキサスのヒューストンスペースセンター、フロリダのケネディスペースセンター、ワシントンDCのNASA HQを一人で周るアメリカ横断旅を決行しました。(親には何も伝えず行ったので後から呆れられました。)中でも、ケネディスペースセンターで見たロケットは真っ青な空に豪快に白い煙をあげて、目も開けられないほどの輝きを放ちながら、猛烈な轟音をあげてあっという間に消えていくその様は、言葉では表せない感情を心の中に灯してくれました。

アメリカから帰国後は研究室配属前にも関わらず大学の研究室の小型人工衛星のプロジェクトに参加させてもらい、研究の日々を過ごしました。そんな中で、アメリカの大学院に入学するには強い推薦書をもらうことが重要だということを知り、ミシガン大学への1年間の交換留学を決意しました。ミシガン大学では3人の教授と研究をし、共著論文を書くことができました。ミシガンでの生活は本当に楽しく、学業だけでなくアメリカで生活する楽しさで日々はあっという間に過ぎていきました。

ミシガンから帰国後は、アメリカの大学院を受験し、念願だったMITの教授から合格をもらうことができ、現在の所属となります。

修士号を取得し博士課程に進学しました。




――日常生活、生活環境について

ボストンの生活は本当に楽しいです。四季は本当に豊かで、都会でありながら、落ち着いた雰囲気をもち、アメリカ最古の都市でありながら、20以上の大学がある活気に満ちた若者の多い都市です。2年間暮らし、友達も沢山できました。6月には学会でロンドンに行った後、親友たちとパリ、ベルリン、スイスを旅行して周りました。彼らとは本当に全てのことを気兼ねなく話せるので本当に楽しいです。このような仲の良い友達ができたことは幸運だったと思います。

また、9月には人生初のハーフマラソンを走りました。最初の6マイルは快走でしたが、その後の7マイルは非常にきつい走りでした。また、昨年の秋からは学部生の寮にRAとしてすみ、学部生の面倒を見ながら生活を送っています。MITの学部生は本当に個性の強い子が多く、彼らの好奇心に導かれた生活や、とんでもない知識の深さに驚かされるばかりです。また、MIT日本人会の副会長としてMITでの日本人コミュニティーにも関われることは本当に幸運です。先日も寿司イベントを行い、大盛況でした。そして、数ヶ月ほど前にはUS Japan CouncilのNew England Region のCore committeeにも就任しました。USJCは日米間の交流を促進するNPOで様々な活動を行っています。いろいろなコミュニティに属することで、研究だけでなく日々の生活を本当に楽しく過ごせています。

――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること

私の夢は人々の暮らしを豊かにするシステム(ドローン、飛行機、グラウンドロボットなど)を創ることです。近年発展の目覚ましいMachine Learningと組み合わせることでロボティクスは人々の生活に欠かせないインフラになると確信しています。そして、世界中の人々の役に立つシステムをいち早く創りたい。そう考えています。

学会での研究発表の様子。Workshopでは最優秀ポスター賞を受賞しました。


ただし、夢や目標を日々の現実にBoil Downするとそのギャップに落胆することもあります。そこで日々の成果を最適化するために、ルーティンを淡々とコツコツとこなすように心がけています。目標に囚われるのではなく、日々の生活の繰り返しを大切にする。朝早く起きる。健康的な食事をとる。朝9時にラボに行き、夜7時にジムに行き、8時からサウナをし、9時からまた少し研究をしたあとに11時に寝る。その繰り返しです。その繰り返しをsustainableにこなしていく。そう心がけています。

――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負

研究を進め、論文を執筆することはもちろんですが、現在は友人たちと起業のアイデアを固めています。90%のスタートアップが失敗すると言われていますが、失敗してもそれは経験として糧になると信じ、ひたむきに挑戦していきたいと思います。

1年間の抱負は健康に過ごすことです。ただでさえ、研究、起業、そして私生活と忙しいのでとにかく体を壊さずにコツコツひたむきに日々をこなしていきたいと思います。