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Q1.クロージング・セレモニーでの順位の発表は3位からでしたが、1位と分かった瞬間、どんな気持ちでしたか?
クロージングセレモニーでは、司会の方がフランス語と英語の2ヶ国語で進行されていたため、次の言葉を待つ時間がものすごく長く感じられました。正直、本番前よりも緊張していたかもしれません。
何位から発表されるのかも知らされていなかったので、一言も聞き漏らさないよう必死に耳を傾けていました。そのためいざ自分の順位が発表された瞬間は、嬉しいという喜びよりも、張り詰めていた緊張からようやく解放されたという強い安堵感が全身を包み込んでいくような感じでした。

Q2.コンクールの準備はいつ頃から始めましたか?どんなことを考えて準備しましたか?
コンクール曲はほとんどが数年前から弾いていたものですが、モントリオールコンクールを強く意識して練習し始めたのは3月頃からだと思います。多様なスタイルのレパートリーがあるため、それぞれの魅力を引き出せるよう、時代背景や作曲家の意図を演奏に反映できるように練習を重ねました。
Q3.コンクールでは選曲も重要だと思いますが、何を意識して選曲しましたか?
モントリオールコンクールは選曲の自由度が高く、それゆえにプログラムの構成には非常に苦労しました。自分の得意な曲をベースにしつつも、異なるスタイルや種類の楽曲をバランスよく組み込み、全体としてバラエティ豊かなレパートリーになるよう意識して選曲しました。

Q4.バロック賞も受賞されましたね。ファースト・ラウンドの最初の曲がバッハの無伴奏ソナタでしたが、緊張しましたか?バロックもお好きですか?
バッハはどのコンクールでもほぼ必須のレパートリーですが、何度コンクールで弾いても一番緊張しますし、自分の中で最も苦手意識がある作曲家でした。そのため、前回受けたコンクールが終わった後にはバッハの奏法を根本から見直し、より本来のバロック演奏スタイルに近づけるよう、ゼロから練習し直しました。
先生方のレッスンを一番多く受けたのもバッハでしたし、Manhattan School of Musicにバロックヴァイオリニストの方が来られた際は、マスタークラスに参加して学びを深めました。それだけ準備しても本番はやはり激しく緊張しましたが、自分の中では悪くない演奏ができたと思っています。
ファーストラウンドの結果発表でバロック賞を受賞したときは、全く自分が想定していないことだったので驚きましたが、演奏を評価していただいたことはとても嬉しいです。ただ、今でも多少苦手意識はあるようで、バロックは弾くよりも聴く方が好きです。

Q5.セミファイナルでは日本人なら誰もが口ずさめる「Sakura」を演奏されましたね。どのような理由で「Sakura」を選曲されましたか?どんな反応でしたか?
この曲を選んだ理由は、「カナダ人作曲家による作品」というコンクールの課題曲リストの中に、この曲を見つけたことがきっかけでした。
タイトルにある通り、日本古謡の「さくらさくら」がそのまま引用されている曲です。非常に耳馴染みがありますし、日本人として日本の伝統的なメロディをカナダの地で演奏できるのは素晴らしい機会だと思い選曲しました。また、選曲をしていた当時にプッチーニのオペラ『蝶々夫人』をよく聴いていたことも、この曲に惹かれた理由として多少影響しているのかもしれません。
セミファイナルが終わった後、客席の様々な方から「あの曲を知っているよ」「とても面白い演奏だった」などといった嬉しい声をかけていただきました。そこから会話が弾み、日本へ観光に行かれた際のお話を聞かせていただくなど、本当にたくさんの温かいフィードバックをいただけたことが印象に残っています。
Q6.コンクールの準備、演奏は心身共に大変だったかと思いますが、得たものも大きいと思います。振り返ってみていかがでしょうか。
このコンクールを通じて、本当に多くのことを学ぶことができました。結果ももちろん嬉しいですが、それ以上に世界中から集まった素晴らしい演奏家たちと出会い、お互いの音楽に触れられたことは大きな財産です。またプレッシャーの中でも自分らしい演奏をすることの難しさと大切さを改めて実感しました。

Q7. 今回の優勝は大きなマイルストーンだと思いますが、これからはどんなことを目指して研鑽を積んでいきたいと思っていますか?
今回の優勝は大きな励みになりましたが、ゴールとしてではなく新たなスタートだと捉えて、今後は国内外での演奏会を一つ一つ大切にしながら、さらに音楽性を深め、多くの方の心に届く演奏を目指していきたいです。またレパートリーもさらに広げ、室内楽やオーケストラなど幅広い活動ができる音楽家でありたいと思っています。これからも周囲への感謝を忘れず、日々研鑽を積んでまいります。
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カナダ人が作曲した曲の中に「さくら、さくら」がそのまま引用されていて、それを聴いた人の多くがその旋律を知っているというのは、日本人としてとても誇らしい気がします。この曲をコンクールで演奏し、広く届けてくれた竹内さんの選曲に心から拍手を送りたいと思います。
「今回の優勝を新たなスタートとして捉えたい」と語る竹内さん。結果に満足するのではなく、コンクールで得た貴重な経験を今後に活かしながら、さらなる飛躍を目指す謙虚な姿勢が印象的です。まだ伸びしろしかない21歳。今後の活躍から目が離せません。


