戸澤采紀さん
(ヴァイオリン)
NHK交響楽団
2023.11.5(日) 16:00
埼玉会館 大ホール
◆プログラム
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ソリスト:戸澤采紀
チャイコフスキー:交響曲題5番 ホ短調 作品64
指揮:梅田俊明
NHK交響楽団
ヴァイオリン:戸澤采紀
Q2. これからも留学先で研鑽を積んでいかれると思いますが、今、ヴァイオリンにおいて具体的に身に付けたいこと、学びたいことはどんなことでしょうか。
Q3. 毎月のスカラシップレポートを拝見していると、大変ながらもとても充実した留学生活を送っていらっしゃるようですが、いかがですか? 留学してちょうど2年になると思いますが、この間、音楽面だけではなく、自分がどこか変わった、成長したと思われますか?
性格がオープンになって、コミュニケーションの幅も広がったなと思います。
やはり異国に来ているわけなので、どうにか社会的に生きていくために、「話しかけやすいオーラ」を出そうと頑張ったのが理由だとは思うのですが、一度それに慣れると、今度は自分から話しかける勇気も湧いてきました。自分がここに存在しているよ!というアピールが出来るようになってきたので、自信にもつながりました。
Q4. 今年の10月から大学院に入られたと思いますが、授業内容は学部と大きく異なるのですか?大学院ではどんな授業があって、何を求められているのでしょうか?
Q5. リューベックはドイツの北の方に位置し、デンマークに近いとのこと。シベリウスはフィンランドの作曲家。戸澤さんは南欧より北欧の方が肌に合うのでしょうか?
それはまさにそうだと思います。南欧に住んでいる自分は全く想像できません。毎日暗い暗いと文句を言いながらも、もともとストイックな性格ではあるので、何とか気を保てています。なのですが、面白いことに私の仲良したちは南欧の子ばかり。スペイン、イタリア、ポルトガル。トルコやイランの子達とも会うとよく喋ります。陽気で明るくて、会うとこちらが元気になります。Q6. ヨーロッパの北の方では、この時期どんどん夜が長く、昼が短くなってくると思いますが、この時期、長い夜をどうやって過ごされていますか?
どうにかこうにか起きている時間を長くしようと頑張っていた時期もあるのですが、最近はもう体に任せようという感じになっています。もちろん健康のためにビタミンDを取ったり、夜入眠しやすいようにヨガをしたりなどはしますが、朝頑張って7時半に強制的に起床する、なんてことはしなくなりました。最近は寝れない夜にはキャンドルをたいて瞑想したりなんかもしています。私は忙しくなると頭が全く働かなくなるタイプなので、これが意外と効くのです。
Q7. ドイツに行かれて大好きになったおすすめのドイツ料理はありますか?
残念ながらドイツに美味しいものはありません。ご飯は日本が1番。ドイツ人みんなじゃがいもばっかり食ってるなんて嘘だろうと思っている方、残念ながら嘘ではありません。朝も夜も黒パンに何か乗っけて食べるだけなんて嘘だろうと思っている方、残念ながら嘘ではありません。
強いていうなら、シュペッツレという卵パスタがあるのですが、素朴な味で美味しいです。 余談ですが、ドイツではジャガイモは普通キロ単位で売っているのですが、ジャガイモレパートリーがカレーくらいしかない私にはなかなか手が出ませんでした。実は最近シェアハウスに引っ越しまして、家に自分以外の人がいるので、部屋だけでなくジャガイモもシェアできたらいいななどと考えています。
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留学して自分のアイデンティティを認識し、コンプレックスを感じたという戸澤さん。そのコンプレックスを「自分の白いキャンバスは何色にも染まれる」とプラスに変えたという。また、異国で生きていくために「話しかけやすいオーラ」を出そうと頑張り、自分がここに存在しているよ!というアピールが出来るようになったとのこと。
改めて、住み慣れた日本を離れ留学することは、未知だった価値観に触れ、視野が広がり、驚く程人を強くし、大きくするなと感じます。一回りも二回りも大きくなった戸澤さんの演奏を生で聴くのが楽しみです!