応援レポート

2020/11/10

2020全日本自転車競技選手権大会   トラック・レース

2020/11/10

梶原 悠未Yumi Kajihara

今年度も奨学生として活動させていただけることに感謝し、更なる飛躍の年とすべく精進いたします。東京オリンピックの舞台では、オムニアム種目において必ず金メダルを獲得できるよう、全力で準備していきます。日本を始め、世界中の方々…

出場した全6種目で完全優勝!
世界チャンピオンの自覚と実力を見せた梶原さん

2020年11月4日〜8日、自転車トラックレース日本一を決める大会が開催された。新型コロナ感染拡大により国内外の大会が中止となって以来、年内最後で最大となったこのレースに梶原さんも参戦。感染対策を講じて観客も入場できる開催となったため、11月5日と6日に現地へ応援に向かった。

「出場する全6種目で優勝をする」と宣言した梶原さん。

2020年3月に筑波大学を卒業。4月からは筑波大学大学院生

今や日本では敵なし、は自他ともに認めるところで「強い姿を見せて日本選手を世界レベルに引き上げたい」。

大会初戦はオムニアム種目の1種目でもあるエリミネーショーンレース。今大会から単独で採用された。周回ごとに最後尾の選手が排除<eliminate>されていく。最周回は2名のデッドヒートが見どころの種目だが、あっという間に梶原さんが相手選手を引き離し実力差を見せつけた。もともとエリミネーションは苦手種目だったそうだが、「大学と大学院で論文のテーマとして分析したことが実践できている」と、梶原さんは文武両道だ。

翌日6日は、梶原さんが世界選手権で優勝しオリンピック代表内定に選ばれたオムニアムレースの日。オムニアムは1人が1日で4種目を行い、総合成績で競う過酷な種目。

まず8kmのスクラッチは、トップでゴールしたら勝ち。梶原さんは終盤まで集団の中で余裕を見せていた。残り1km、とアナウンスが聞こえたところで梶原さんがスピードを上げると、誰も追いつけない。あまりの強さに鳥肌が立ってしまう。

フィニッシュラインに1着ゴールする梶原さん

2種目めテンポレースは、5周以降から周回トップにポイントが与えられる。序盤に1回だけ他選手にポイントを許したものの、中盤に入ると独走開始。そのまま集団を周回遅れにし、その離れ技(1ラップ)に与えられる大量得点(20点)を得つつ余力を残して1位。

3種目めエリミネーションは「昨日と違う展開でも勝てることを見せたかった」と、最後は一対一のスプリント勝負に持ち込んでから、一気に後ろから抜き去ってオムニアム3勝目。

オムニアム完全優勝がかかったポイントレース。6周毎のフィニッシュライン通過で1位から4位までに5、3、2、1ポイントが与えられる。梶原さんは序盤で他選手に1位通過を許したが「集団の流れを落ち着いて把握していた」と、獲得チャンス10回のうち9回を1位通過してみせた。ポイントレース開始時点のポイントは120ポイントで2位とは8ポイント差、それを46ポイント差に広げて圧巻の勝利となった。

7日のスクラッチとマディソン、8日の個人パーシュートとポイント・レースも堂々の優勝を果たし、梶原さんは「出場全6種目で完全優勝」を有言実行。おめでとうございます!

観客の声援に応えて、ウィニングラン

大会がない自粛期間中は辛くなかったか?、とインタビューで問われ「普段できないトレーニングに集中できて楽しかった」と驚きの答えが返ってきた。

大学院の授業が全てオンラインとなったこともあり、今はナショナルチームの拠点である伊豆で暮らしている。自宅には本格的な筋トレ用具をびっしり揃えた。「その分ご飯は狭いスペースで食べてます(笑)。でも、コロナ禍でも他人と接触せずに思う存分トレーニングができてありがたかったです。必要な筋肉すべてを心置きなく鍛えたくなって、1日7、8時間トレーニングしてしまいます。」

東京オリンピックで金メダルを取るために、着実にペダルを踏む梶原さん。これからも応援しています!