トップページ > 奨学生活動レポート > 川北 源二 – 2021.6

奨学生活動レポート

academic

2021.06
川北 源二 Genji Kawakita
>プロフィールはこちら

将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?

研究者として脳・身体・意識の関係性に関する知見を深め、より良いリハビリテーション方法の開発に繋げていくことを目指しています。中高6年間の内2~3年間を怪我のリハビリに費やしたことがこのような目標を持つに至ったきっかけです。リハビリの過程で「時間が経つにつれて怪我をする前の身体の動かし方・感じ方を忘れていくのはどうしてか?」、「意識・イメージを変えると動作が変わるのはどうしてなのか?」といった素朴な疑問を抱くようになりました。ただ高校生の時はこのような疑問について学ぶことができる学部を絞りこめませんでした。そこで入学後に専攻を決められる米国大学、その中でも幅広い分野の学問に触れられるリベラルアーツカレッジに魅力を感じ、スワースモア大学に進学しました。

夕暮れ時の大学キャンパス

大学入学後に様々な学問に触れ、自分の興味を追求することを応援してくださる方々との出会いに恵まれた結果、大学院に進学して「脳・身体・意識の関係性」に関して自ら研究に取り組みたいという気持ちを強く抱きました。現在は東京大学で学術専門職員として「身体の変化に伴う脳の変化」に関する計算論的神経科学の研究を進めています。2022年秋からは英国インペリアル・カレッジ・ロンドンで神経運動制御についての研究に取り組む予定です。

日々の生活、生活環境は?

新型コロナウイルスの影響で大学3年生の春学期途中から卒業まで授業が全てオンラインで行われました。私は日本から授業を受講していたため深夜にライブ授業に参加したり録画された授業を日中に視聴したりしていました。幸い私が取り組んでいた研究はPC上で完結する研究であったため研究活動を進める上で大きな支障は出ませんでした。しかし生活様式の変化や将来への不安からメンタルの調子を崩してしまい思ったようには研究を進められませんでした。

オンライン学会で発表したときの様子

海外生活を経験して心身の調子を崩さないように気をつけることの重要性に気がつきました。留学中はせっかくの機会を最大限生かそうとして無理をしがちですし、無理をして頑張ることを良しとする風潮がある気もします。ただ自分のキャパを超えた無理のある生活を続けると、あるとき調子を大きく崩してしまいます。私自身まだうまくできていませんが、心身の調子を日々整えることを心がけています。

夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていることを教えてください!

日々研究に取り組んでいます。研究では「手を動かしながら考えること」「他の人と議論をすること」を大切にしています。実際に自分の手を動かして計算したり実験をしたりすることで考えを深められると感じています。また他の人と議論することで自分にはない視点やアイデアに気づくことが出来ますし、議論すること自体が純粋にとても楽しいです。

最後に、これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負をどうぞ!

プロの研究者になる上で重要な資質を養っていきたいです。特に素朴な疑問を実行可能で意義のある研究課題に落とし込む精度を高めたいです。その為に研究分野に関する知識・技能を日々身につけていきたいです。また分野普遍の研究の目標や作法についての理解を深めたいです。財団の方々をはじめ多くの方々のお陰で研究に集中できる機会と環境を頂けているということに感謝して、目に見える形でも見えない形でも成果をあげられる1年間にしたいです。

川北 源二 Genji Kawakita
>プロフィールはこちら