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Q1.今回のN響さんとの初共演コンサートでは、どのような演奏をしたいと思い臨みましたか?演奏後、何を感じていましたか?
普段からNHK plus にて様々な指揮者やソリストとのNHK交響楽団さんとの演奏を聞いておりました。生演奏を聴いたのは、10歳の頃にファビオ・ルイージさん指揮の公演が初めてで、今回はそれ以来2度目となりました。リハーサルで耳にした、あの重厚でありながらクリスタルな音色には深い感銘を受けました。
その響きを間近で感じられましたことは大変光栄でした。

Q2.ドヴォルジャークのチェロ協奏曲はあまりにも有名な大作だと思いますが、チェリストの鳥羽さんにとってはどんな曲でしょうか。
2023年8月に読響の「三大協奏曲」にお声がけいただいたことをきっかけに勉強を始め、それ以来ずっと弾き続けている作品です。私にとってこの協奏曲は、愛にあふれた音楽だと思います。祖国チェコへの愛、ドヴォルジャークが心に秘めていたジョセフィーナへの想い…。
最近はさまざまばアイディアが溢れ出し、かえって全体の方向性を見失いそうになることもあります。次回取り組む際は一度頭をリセットして全てのアイディアを消去し、新しい気持ちで向き合いたいと思います。

Q3.ベルリン芸術大学に入られてちょうど3年が過ぎたと思いますが、振り返ってみて留学生活はいかがでしたか?ご自分にどのような影響を与えたと思いますか?
ベルリンに来た当初は、街並みや生活環境の日本との違いに驚くことが多く、戸惑いもありました。便利なコンビニがあるわけでもなく、地下鉄が日本ほど安全とは言えません。そのような環境だからこそ自分自身の責任感がより強く育ったと感じます。食事や健康への意識が高まり、日々のスケジュール管理も以前よりできるようになったと思います。

Q4.今後はどんなことを目指していますか?
出来る限り多くの挑戦を積極的にしていきたいと考えています。
1〜3ヶ月おきにドイツと日本を往復する生活は、若い今だからこそ実現できている部分もあると思います。多少ハードな日程でもその中で得られる経験を大切にしたいです。演奏会後はすぐに学業へ戻るため、ゆっくりと休む時間がないことも多いですが、食事・運動・睡眠を整え、音楽にしっかり向き合える充実した生活を目指していきたいと思います。

Q5.音楽の道を進む中では、いいことばかりではなく、大変なこと、苦しいこともあると思いますが、ここまで続けてこられたのはなぜだと思いますか?
周りで助けて下さる、支えて下さる方々のおかげだと思います。両親、学校の先生方、学業を支援してくださる江副記念リクルート財団さま、そして同世代の演奏家の方々から受ける刺激は、日々の大きな原動力です。

Q6.今、チェロ以外で一番興味を持っていることは何でしょうか。
オペラが大好きで、ベルリンにいる時はよくDeutsche Oper とStaatsoper Berlinに足を運んでいます。物語を通じて伝わる作曲家たちの思想や人生観には深く考えさせられることが多く、100年、200年前に作られた物語でありながら、現代の社会問題や人間関係に通じる部分があることにいつも驚かされます。テクノロジーがいくら発展しても、人間そのものの本質は変わりにくく、歴史が繰り返されるという感覚が興味深く、登場人物の心理を読み解く事は特に魅力的と感じます。
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欧州で本場のオペラやコンサートに足を運び、多くのことを考え、刺激を受けている鳥羽さん。それを活かして出来る限り多くの挑戦を積極的にしていきたいとのこと。嬉しいこと、つらいことすべてが鳥羽さんの音楽を作り、心に響くものにしているように思います。伸びしろしかない、これから更に大きく羽ばたいていく鳥羽さん。ずっと追いかけて応援していきます♬
鳥羽咲音
日時:2025年10月29日
19:00
会場:サントリーホール
指揮:大友直人
チェロ ソリスト:鳥羽咲音
管弦楽:NHK交響楽団
◆プログラム
N響名曲コンサート
ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43



