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奨学生活動レポート

music

2021.12
小林 愛実 Aimi Kobayashi
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――将来の夢、そしてその夢や現在の学びの場所を目指したきっかけは?

私の将来の夢は音楽家であり続ける事です。これからの人生、何があるか分からない、来年でさえどんな人生を送っているか分かりませんが、できる限り音楽を追求し、私は音楽家ですと胸を張って言える人生を送れるのであれば、これほど幸せなことはありません。

私は現在アメリカのカーティス音楽院に在籍していますが、この学校で勉強すると決めた時、私はスランプに陥っていました。まずは環境を変えなければと、新たな場所で音楽と向き合うと決め、ご縁があったカーティス音楽院に留学する事を決めました。もちろん海外で生活することは初めて、1人で暮らすことも初めて、何もかもが初めて、英語も分からず大変な毎日でしたが、現在師事しているマンチェ・リウ先生との出逢いが私の人生を大きく変えてくれました。私のスランプは何が原因なのか、自分で気付けるまで待ち続けてくださり、今まで知らなかった音楽や音の表現、様々な事を教えてくださいました。アメリカでの留学生活があるからこそ、今の私の音楽があり、真の音楽家へ一歩近づけたような気がします。

カーティス音楽院の友人たちと

――日常生活、生活環境について

今はコロナ禍ということもあり、アメリカには1年半もの間戻ることが叶わず、授業やレッスンもオンラインで受けています。

コロナ禍になる前はアメリカと日本を行き来する生活でした。日本では演奏会を、アメリカでは普通の学生生活を楽しみながら勉学に励み、音楽仲間と室内楽を奏でたり、演奏会を聴きに行ったりと充実した自由な日々を送っていました。今思えば当たり前のようにアメリカと日本を行き来し、レッスンや授業を対面で受けられていた時間がこんなにも恋しくなるとは…知るよしもありませんでした。

今現在はショパンコンクールが終わった直後という事もあり、有難いことに取材やテレビ、演奏会と忙しい日々を勤しんでおります。依頼されたコンサートにしっかり取り組み、音楽家として、活動を次につなげていけるよう精進していきたいと考えています。

ショパン国際ピアノコンクール ファイナルステージ

――夢の達成に向けて、日々取り組んでいることや気を付けていること

私が一番大事にしているのは、自分の理想とする音楽家であり続けることです。

私にとって理想の音楽家とは、作曲家や作品に対し尊敬の念を持ち、楽譜に書かれた音に忠実であること。一音一音、すべての音に意味を込め、「この作曲家はどんな表現を求め、どんな感情で書いたのだろう」と想像を膨らませ、できる限り汲み取っていく。作曲家が求めた理想に私なりに向き合い、追究し、その上で音楽をつくり上げていく。そんな姿勢を守っていけるよう心がけています。

ショパン国際ピアノコンクール ガラコンサート

――これから更に挑戦したいことや、1年間の抱負

今回は結果としてショパン国際ピアノコンクールで4位に入賞することができましたが、この賞は私にとってやっと音楽家としてスタート地点に立つことができたギフトだと思っております。今を新たなスタート地点とし、自分が理想とする音楽家へ少しでも近づけるよう邁進するつもりです。

来年はアメリカからフランスに拠点を移し、新しい学校、新しい先生との日々が待ち構えています。そしてレパートリーも以前から取り組みたかったシューベルトに重点を置いていく予定です。

小林 愛実 Aimi Kobayashi
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