トップページ > 財団NEWS > 財団交流イベント
「Recruit Scholarship Annual Gathering 2020」
を開催しました。

財団交流イベント
「Recruit Scholarship Annual Gathering 2020」
を開催しました。


◆開催概要

日 時:2020年7月5(日)
内 容:
・開会挨拶(財団活動報告)
・オープニングセッション
・新規奨学生紹介
・スポーツ部門 年間MVP表彰
・器楽部門 「Special Remote Concert」
・トップアスリートインタビュー
・理事長挨拶

※終了後は部門別交流会を実施


50年近い歴史を持つ財団では、毎年年に1回、現役奨学生、OBOG、役員·選考委員らが介して、交流・新規奨学生への奨学生認定証の授与、スポーツ部門MVPの表彰、現役奨学生による成果報告などを行っています。

今年は、残念ながらコロナウイルスの影響により実際に集まってイベントを開催することができないため、初のオンラインでの開催を実施。オンライン開催となったことから、海外にいる学生も参加することができるようになり、当日はなんと、世界中で活躍する55名の現役奨学生、助成対象者が集まりました。当日のプログラムは、奨学生、助成対象者の皆さんのリクエストをもとに作成し、企画・事前準備・当日まで財団生の皆さんと一緒に充実したイベントを開催することができました。



なお、午前中に開催した学術部門・アート部門 奨学生による成果報告会の開催レポートはこちらをご覧ください。

 

Recruit Scholarship Annual Gathering 2020 ~いま、ここにある、出会い。~

 

今年は、例年実施している新規奨学生紹介、年間MVP表彰に加え、財団生より要望の多かった、部門を超えたコラボ器楽部門による演奏トップアスリートへのインタビューを実施しました。

はじめに、5月下旬に財団生に回答してもらったアンケート「今回のコロナウイルスの影響でこれまでとは異なる環境に置かれる中で、でどう自分自身に変化があったのか?どのように目標達成に向けて取り組んでいるか」について財団生の回答をシェアしました。

アンケート結果 ※一部抜粋

Q. コロナ感染拡大により、これまでと全く違う環境で制約された生活が続く中、自分の学びや競技生活について気づかなかった新たな発見、気づきなどはありましたか?

日々の実験による忙しさが無くなり、リラックスした状態で研究することでアイデアが今まで以上に出てきています。成果を焦りすぎず緩急をつけることも重要だと気づきました。
 - 学術部門 角南 槙一

Q. 目標達成のために新しく始めたルーチンや取組はありますか?

大会がない状況を踏まえ、自分で大会を設立しました。開催日を決め、出場種目の目標タイムや数値を設定し、達成できたときのご褒美を決めました。このように具体的な目標と期日を設定することで、日々の練習を室、強度とともに高めることができるようになりました。
 - スポーツ部門 梶原 悠未

 

 

オープニングセッション

続いて、器楽部門の上野 通明さん、小林 愛実さん、アート部門の石原 海さん、石川 真奎さんによるパネルディスカッションスタートです。こちらは「異分野の方々とこれからの社会についてディスカッションしたい!」というリクエストをもとに企画しました。今回上野さんはベルリンから、石原さん・石川さんはイギリスから参加しました。

「世界的なコロナパンデミックの中で、アートや音楽の世界はこれからどんな風に変わっていく、あるいは変わらないと思う?」 
「アートや音楽における日本と海外、特にヨーロッパとの違いをどのように捉えている?」 
「これからの社会の中で、アーティストや音楽家としてどうありたい?」

について、各々が今感じていることを語ってくれました。その中で出た


”音楽や芸術は、生きていくうえで必要不可欠な存在ではないけれど、 人間らしくいられる存在”

”アートはどういう風に社会に対して貢献していくか、 メッセージを放っていくか、ということでいうと、アートは残ることが大事”

”わかりやすい評価軸がない中で1000年先に向けて作品を作っていく、 というのが自分の中で重要”

というメッセージには、同じ立場のスピーカーは勿論、他部門含め多くの参加者から共感のコメントが寄せられました。

またディスカッションの後には、アート部門の選考委員であり、ベルリンからご参加いただいていた塩田千春さんからもメッセージをいただきました。塩田さんには、午前中の成果報告会からご参加いただき(ベルリン時間AM4:00・・・!)、発表を聞いたご感想、また現在の活動のご様子についてもお話してくださいました。塩田さん、有難うございました!

参加者の声

・「問い続けるのが大事」というのはとても共感します。個人的な考えですが、今回のパネルディスカッションのテーマのアートと、学術部門の中の多くの方が取り組んでいるサイエンスの共通点は、「長期的に評価しないと本当に価値のあるものは分からない」というところだと思います。

・現在は自分のやっていることの本質的な意味を振り返る時期なのかもしれないなと考え始めました。

・必要不可欠でなくても私たちの世界をカラフルにするのは芸術や文化だと思います。奨学生としてしっかりこれからも勉強して、そんな世界に少しでも貢献できるような人になりたいです。

 

 

スポーツ部門 年間MVP表彰

スポーツ部門では、毎年度の成績を踏まえて年間MVPを選出しています。その基準は大変高く、世界レベルの大会で優勝もしくは上位入賞された方を対象に選考委員会で議論し、理事会で決定しています。
2019年度のスポーツ部門年間MVPは、梶原 悠未さん、森 ひかるさんの2名に決定し、理事長より表彰を行いました。

当日は、

・世界選手権ではどのように気持ちをコントロールしたか
・競技を通じて自分の成長を感じる瞬間
・世界一に繋がったと思う、小さい頃からの習慣
・オリンピック延期決定直後の気持ちと、今の気持ち、そしてどうモチベーションを保ったか
・オリンピックでの見どころ!

など、世界チャンピオンのお二人にインタビューを実施し、強さの秘訣を財団生へシェアしました。

 

梶原さん、森さん、おめでとうございました!!

 

 

器楽部門 有志による Special Remote Concert

有志で集まった弦楽器9名、ピアノ3名の方の企画により、本イベントのためにリモート演奏を実施しました。各メンバーが自宅で演奏・録音した音源を編集し出来上がった素晴らしい演奏を当日オンラインで披露、参加者全員で優雅な時間を過ごしました。

当日イベント参加者に聴いてもらう前に、メンバーを代表して阪田 知樹さんからコメントを貰いました。そこでは、聴いている人を元気づけたい!という想いで弦楽器ではモーツアルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第一楽章を選んだこと、ピアノ部門3名も何かできたら、という気持ちで頑張って演奏しました、というメンバーの熱い想いを話しました。

リモート演奏はこちらからご覧いただけます。




演奏が終了した瞬間、参加者から沢山のコメントが次々とチャットに流れ、それはまるでコンサート会場にいるかのようなエネルギーを、オンライン上でも感じました。

演奏終了後、岡本 侑也さんからは「弦楽器のことを言えば9人という大人数で久々に演奏することができました。このような大人数で演奏したのは数か月振りのことだったので、本当に感慨深いというか、胸が熱くなるものがありました。」という嬉しいコメントをいただきました。参加いただいた皆さん、素敵な演奏を有難うございました!

参加者の声

・オンラインでの演奏会を実現してくれた器楽部門の方々の努力を見ると、コロナで大変な中でもやれることはあるのだと、非常に感動しました。

・器楽部門の演奏が素晴らしかった。リモートでもこのような演奏ができるということが素晴らしい。普段、物理的、時間的制限から共演できない演奏者の演奏が聴けることが、リモートの強みの一つだと思った。

・目を閉じると、リモートとは思えない臨場感で、聞き惚れました。ありがとうございました。

 

おまけ:オフショット。事前打ち合わせも楽しく行いました

トップアスリートインタビュー

現在スポーツ部門の財団生はオリンピック出場が濃厚なメンバーです。先日のアンケートでも特に、アスリートに聞いてみたい!とリクエストが多く、今回は小泉 維吹さん(セーリング)、山口 茜さん(バドミントン)、東 晟良さん(フェンシング)の3名に「オリンピックまでの1年をどう過ごす?」をテーマにインタビューを実施しました。

 

小泉さんはニュージーランドから参加!1年延期となり、今までは感覚でやっていたようなことを文字に起こして、ペアとしっかりコミニケーションすることによって、更に成果が上がるようになってきているという嬉しい報告がありました!
山口さんからは、「結果もそうですが、見てくれてる人の心に残るような、結果だけでは見えないようなところにもより深く向き合って1年間を過ごしたい」という力強いメッセージをいただきました!
東さんからは、「延期になってしまったオリンピック選考の1大会に向けて、更にオリンピックでメダルを獲れるよう頑張ります!」というコメントをいただきました!

 

 

 

理事長挨拶

当財団の理事長で株式会社リクルートホールディングスCEOでもある峰岸 真澄よりご挨拶し、財団生へ激励のメッセージを送りました。
当日のメッセージはこちらからご覧いただけます。

 

会の終了後は、同部門での交流会を実施しました。同部門内でも様々な年代・国で学ぶ学生がいることから、国や学校の状況、今後の学びや進路の相談など、幅広いトピックで各グループが盛り上がっていました。中には3時間以上話していたグループもあったとか…!恐るべし若者パワーです。

初めてのオンライン開催ではありましたが、財団生の主体性と尽きない好奇心により、参加者にとって非常に学び多い会となりました。引き続き彼らが学びや成果を最大限発揮できるよう様々な支援を実施できればと思います。

 

参加者アンケート ・同部門の方々はもちろん、他の部門の方々のお話はとっても興味深いものがありました。モチベーションを保つために自身で大会を作られたり皆さん工夫をされていて自分ももっともっと頑張らないと!と励みになるお話ばかりでした。

・新型コロナウイルスの影響がそれぞれの部門の方にあることを改めて知り、それでも前を向いているお姿に勇気づけられました。また、奨学生の方々の言葉を聞いて刺激を受け、自分もネガティブ思考にならず今やれることを全力で頑張ろうと奮い立たせることができました。

・自分たちが今している事、やるべき事について迷いがある時に今成果が見えなくても10年後、20年後、長期的にできている事があるかもしれないと、気長に頑張るのでもいいのだ、と勇気づけられました

・オンラインでも人とのつながりを意識しながら、まずコロナが蔓延した状況下で自分に出来ることをひとつひとつ積み上げていこうと思います。先が見えない不安というのは部門に関わらずあるもので、その中で他の奨学生の皆さんが活動している姿を知ることで、目先のゴールを超えてぶれない軸を持つことが大切と感じました。