毛利文香さん
(ヴァイオリン)
ラ・ルーチェ弦楽八重奏団 String Octet Vol.5
2019.1.4(金) 19:00
東京文化会館 小ホール
ヴァイオリン: 毛利文香、城戸かれん、大江馨、小林壱成
ヴィオラ:田原綾子、有田朋央
チェロ:伊東裕、笹沼樹
◆プログラム
ブラームス:弦楽六重奏曲第2番 ト長調 Op.36
ブルッフ:弦楽八重奏曲 変ロ長調 Op. Posth
グリエール:弦楽八重奏曲 ニ長調 Op.5
アンコール曲:
J. シュトラウス二世 / 山中惇史編:ラルッチ・ラルッチェ・ポルカ
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲より第4楽章
年が明けたばかりの1月4日、若い演奏家8人が集うコンサートが開かれました。ラ・ルーチェ弦楽八重奏団は、同世代で室内楽の楽しみを共有したいという思いから2013年6月に結成され、2014年から年に1度「La Luceシリーズ」を継続し、この回は記念すべき5回目。8名のうち女性は3名。毛利さんは江副記念財団奨学生の45回生、田原さんは47回生、城戸さんは43回生。
どの曲も、曲に込めた思いが伝わってくるような、聴き手の気持ちも次第に高揚してくる演奏。新年にふさわしい、心洗われる素晴らしい演奏でした。
演奏後、毛利さんにラ・ルーチェについて、また今後の意気込みについてお聞きしました。
A1. 前回から少し時間があき、皆で演奏するのは約一年半ぶりで久々でしたが、やはり回を重ねているだけあって安心感があり、定期的に室内楽を一緒に演奏できる仲間がいるのはとても幸せなことだなと改めて身に沁みて感じました。また、メンバーそれぞれが留学や様々な演奏経験を通して確実に変化していて、毎年それを感じるのがとても面白いですし、特に今回はそれが良い意味で演奏に大きく影響したように思います。
A2. リーダーは特に決まっていませんが、もともとこの八重奏団を結成するきっかけは女子三人だったので、特に色々な事務作業などは私たちが中心でやっています。プログラムはいつも全員で話し合って決めています。
A3. Q1の答えのように、毎回メンバーそれぞれの変化が感じられてとても面白いですし、一緒に弾く回数が増えるほどその変化にも敏感になるので、新たな発見がどんどん増え、たくさんの刺激をもらっています。
A4. まだまだ発展途上で、今後ももっと変わっていきたいと思っていますが、留学前に比べると、自分の出したい音や作りたい音楽をよりはっきりイメージするようになったのではないかと思います。それに伴って、そのイメージを表現するために、右手の使い方をはじめとした技術面も少しずつ変わってきている気がします。
A5. とにかくものすごいエネルギーを持っていらっしゃる先生で、音作りや表現の追求に一切の妥協を許さず、そのストイックな姿勢にいつも刺激を受けています。
A6. 実はクロンベルクアカデミーにはもう一年いることになりそうなのですが、クロンベルクで学んだことを、コンクールやオーディションも含めた本番の場で存分に発揮することが一つの大きな目標です。また、ソロも室内楽も様々な新しいレパートリーがたくさん待っているので、それぞれしっかり自分のものにして、大事にお客様に届けていきたいです。
A7. 舞台で自分の理想とする音や音楽を作ることができた時はとても幸せです。また、家族や友達など親しい人と、音楽に限らず何か楽しいことや嬉しいことを共有して皆で笑顔になれるときも幸せです。私は食べることが大好きで、これといった特定の食べ物はありませんが、美味しいものを食べることは確実に自分の元気づけになっています!
同じ年代で、互いに切磋琢磨してきたメンバーから刺激を受けている様子。留学においても妥協を許さない先生から多くのものを吸収し、成長を実感し、今後の目標もしっかりと定めている毛利さん。今年も大きな飛躍を見せてくれそうです♫