江副記念リクルート財団の皆様には今まで多大なる御支援を頂きまして誠にありがとうございました。
改めまして現時点から振り返ると、十代後半から二十代前半にかけての人間としても音楽家としても最もリスキーで怖いもの知らずで肉体的にも精神的にも冒険と挑戦に満ちた人生を歩まざるを得なかなった期間の間、財団様の変わらぬ御支援と御協力を頂けた事は執筆に尽くし難い心強さでありました。重ね重ね御礼申し上げます。
音楽をしていなかったとしても、ただ生きているだけで自己と他者との間で様々な良き事や困難も経験します。ですが、音楽の世界に生きる人間として、自分の音と自分が携わるクラシック音楽をどこまで、どんな形で、音楽を知っている人にも知らない人にも本質的な魅力を拡散出来るのかを、過去から必要な情報と価値観を濾過しながら、自分で考えて学び発掘していく事が 忙しく情報過多の現代と現代人にとっていかに大事で、大変なエネルギーを使う事で、しかし流されて忘れ去られてしまいがちな事かを痛感する今までの10年間でした。
様々な局面での学びと気付きが全ての世界線とリンクするので全てを書くのは難しいのですが、生きる姿勢は変わらず、でもより柔軟に、時代や国家や世代による価値観の違いも受け止めながら自分が信じる道を進んでいければ本望です。
今まで本当に、ありがとうございました。